HOME > 占い&メンタル > 【実は9割が誤解】「視線で嘘がわかる」は本当?アイ・アクセシング・キューの正しい読み解き方|左利きのパターンも解説
「相手の視線が右上を向いたら嘘のサイン」
あなたも一度はそんな「嘘を見抜くテクニック」を
耳にしたことがあるかもしれません。
でも、いざ試してみても確信が持てず、
「これって本当に合ってるの?左利きの人は?」
と、かえって疑問が深まっていませんか?
それもそのはず。実はその知識、
最も重要な前提条件や例外が抜け落ちた不完全なものなのです。
彼が視線を左下に落とした瞬間、彼の頭の中では、こんな高速会議が開かれているかもしれません。
彼の頭の中(想像)
「(やばい、正直に『合コンだった』なんて言えるわけない…)」
「(じゃあ、なんて言う?『仕事で遅くなった』は使い古したし…)」
「(そうだ!『先輩に急に呼び出された』ことにすれば、断れない感じがして自然だ!)」
このように、彼は過去の事実を「思い出している」のではなく、
あなたを納得させるための「言い訳(ストーリー)をリアルタイムで創造している」状態なのです。
この記事では、巷で語られる不正確な情報とは一線を画し、
「アイ・アクセシング・キュー」の本当の意味と、左利きなどの例外も含めた正しい見極め方を解説します。
表面的なしぐさに惑わされず、相手の思考プロセスを深く理解する洞察力が身につきます。
「相手は口では『はい』と言っているけど、本当はどう思っているんだろう…」
そんな風に、相手の本音を知りたいと思ったことはありませんか?
実は、人の視線の動きには、その人が頭の中で何をしているかを知るヒントが隠されています。それが、ここで解説する「アイ・アクセシング・キュー」です。まずはこの驚くべき心理学の基本を学んでいきましょう。
「アイ・アクセシング・キュー(Eye Accessing Cues)」とは、直訳すると「目(Eye)が、脳の様々な情報へ接続(Accessing)しにいく時の、手がかり(Cues)」。これは1970年代に生まれた心理学NLP(神経言語プログラミング)の創始者らによって発見され、ロバート・ディルツによって体系化されました。
彼らは、人が何かを思い出す、あるいは考え出す時、その思考の種類(映像か、音か、感覚か)に応じて視線が無意識に特定の方向へ動くという、驚くべきパターンを発見したのです。
この理論の根底にあるのは、「心と身体は繋がっている」という考え方です。例えば、酸っぱいレモンを想像すると、自然と唾液が出てきませんか?これは、頭の中のイメージ(心)が、唾液という身体反応を引き起こした証拠です。
目の動きもこれと同じで、脳が「過去の映像」や「未来の音」といった情報にアクセスする際、それに対応した場所に視線が動くという身体反応が起こります。言葉は嘘をつけますが、身体は正直です。この心と体の固い結びつきこそが、しぐさを読み解く鍵となるのです。
アイ・アクセシング・キューが「嘘発見器」として紹介されることが多いのは、この章で解説する決定的な法則があるからです。
それは、**「過去の出来事を思い出す(記憶)」**時と、**「まだ経験したことのない事柄を思い浮かべる(創造)」**時とで、視線の左右の動きが異なるというもの。
この基本ルールを理解すれば、相手の言葉の信憑性を判断する強力な武器になります。(※多くの右利きの人に当てはまるパターンとして解説します)
まず、最も分かりやすいのが「映像」を司る視覚のサインです。「昨日見た映画のワンシーン」を思い出してもらう時、相手の視線は多くの場合、**左上**を向きます。これは「視覚的な記憶」にアクセスしているサインです。
一方で、「ピンク色の象を想像してみて」と頼むと、今度は**右上**を見るはずです。これは「視覚的な創造」、つまり頭の中で新しい映像を作り出している証拠。
この法則を応用すれば、過去の出来事を質問されているのに、視線が「創造」の右上に向かう時、そこに嘘や創作が隠れている可能性を読み取ることができるのです。
次に、「音」に関する聴覚のサインです。子どもの頃に聴いた好きな曲や、母親に叱られた声を思い出してもらう時、視線は**左横**に動きやすくなります。これが「聴覚的な記憶」へのアクセスです。
対して、「自分の声がアニメキャラクターだったら?」と想像してもらうと、視線は**右横**に向かいます。これは「聴覚的な創造」のサイン。
例えば、会話の内容を思い出す際に、頻繁に視線が「創造」の右横に動くなら、その人は言葉を飾り付けたり、都合よく作り変えたりしていると推測できます。
視線が「上」や「横」に動く時、相手は頭の中で映像や音を扱っていましたね。
では、視線が「下」に落ちる時は何をしているのでしょうか?
ここには、相手の「内なる声」と「身体の感覚」という、より深くプライベートな情報にアクセスしているサインが隠されています。
視線が相手から見て左下に向かう時、その人は「内部対話(Internal Dialogue)」を行っています。これは、頭の中で自分自身に話しかけ、物事の理屈を考えたり、計画を立てたり、自問自答したりしている状態です。
これが「言い訳を考えている」と結びつきやすいのは、嘘や言い訳を作るには「これを言ったらどう思われるか」「辻褄は合うか」といった、念入りな論理構築が必要になるためです。つまり、単に事実を思い出すのではなく、論理を組み立て、ストーリーを「創造」しているサインと言えます。
一方、視線が右下に向かう時は、「身体感覚(Kinesthetic)」にアクセスしているサインです。これには、触り心地や温度といった触覚、味覚、嗅覚、そして「嬉しい」「悲しい」といった感情の起伏も含まれます。
「あのセーターの肌触りはどうだった?」「あの時の気持ちを教えて」といった質問をされた時、相手の視線が右下に動けば、その感覚を身体で再体験しようとしています。これは、相手の「感情」や「体感」に触れる質問をした時に現れやすい、非常にプライベートなサインなのです。
ここまで読むと、アイ・アクセシング・キューがまるで「相手の心を丸裸にする魔法」のように思えるかもしれません。
しかし、どんな強力なツールにも、正しい使い方と限界があります。ここからは、この知識を鵜呑みにして失敗しないために、あなたが絶対に知っておくべき「嘘(誤解)」と「本当(現実的な使い方)」を解説します。
ユーザーの皆様が最も疑問に思う点、それは「この理論の信頼性」でしょう。正直にお伝えすると、アイ・アクセシング・キューはNLP(神経言語プログラミング)という分野で生まれたもので、主流の学術的な心理学とは一線を画します。
厳密な科学実験において、「このパターンだけで嘘を100%見抜ける」という結果は出ていません。そのため、「嘘発見器」として使うのは非常に危険です。あくまで「相手が今、頭の中でどんな種類の情報にアクセスしているか」を推測する一つの手がかりと捉えるのが、最も現実的で賢明なスタンスです。
次に、多くの人が疑問に思う「左利き」の例外についてです。一般的に、左利きの人は左右のパターンが逆転することが多いと言われています。つまり、記憶を探る動きが「右側」、創造する動きが「左側」になる傾向があります。
しかし、これも100%ではありません。人によっては左利きでも通常パターンだったり、独自のパターンを持っていたりします。そこで重要になるのが「キャリブレーション(調整)」という考え方です。本格的に使うなら、最初に「あなたの家のドアの色は?」のような事実に関する質問をして、その人の基準(ベースライン)を確認する作業が不可欠なのです。
アイ・アクセシング・キューの理論を学んでも、実践で使えなければ意味がありません。しかし、「相手の目をじっと観察する」なんて、不自然で失礼ですよね。
この章では、普段の何気ない会話の中で、自然に相手のサインを読み解くスキルを磨くための、具体的なトレーニング方法をご紹介します。
このスキルを学ぶ上で初心者が陥りがちな最大の罠が、「右上を向いたから嘘だ!」というように、一つのサインだけで相手を決めつけてしまうことです。
重要なのは、相手の「平常時(ベースライン)」を知り、そこからの「変化」に気づくこと。そして、視線の動きだけでなく、表情、声のトーン、話の文脈など、複数の情報を組み合わせることです。一つのサインはただの「可能性」。複数のサインと文脈が重なって初めて、その意味は「確からしい」に変わるということを、決して忘れないでください。
では、どうすれば自然に観察眼を鍛えられるのでしょうか。友人や家族との気軽な会話で試せる、簡単な2ステップの質問トレーニングがおすすめです。
まずは、相手が過去の事実を「思い出す」質問をしてみましょう。例えば、「昨日のお昼、何食べた?(視覚・味覚の記憶)」や「子供の頃好きだった歌って何?(聴覚の記憶)」などです。この時、相手の視線が自然と左側(左上や左横)へ動くか、さりげなく観察します。これがその人の「記憶」のパターンです。
次に、相手がまだ体験していないことを「想像する」質問をします。「もし1億円当たったら、どんな色の車買う?(視覚の創造)」や「自分の声がアニメキャラになるとしたら、どんな声?(聴覚の創造)」などです。この時、視線が右側(右上や右横)へ動く傾向が見られるはずです。この練習を繰り返すことで、意識せずとも相手の思考パターンを自然に捉えられるようになります。
Tags: アイ・アクセシング・キュー, しぐさ 読み解き方, 目の動き 心理学 嘘
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