HOME > 旅行&地域 > 明治の「横浜絵」とは?横浜市歴史博物館で企画展&学芸員による特別講座全4回を開催
「横浜絵」とは、開港後の横浜で生まれ、海外との文化交流のなかで発展した美術表現です。 幕末の開港をきっかけに、海外との玄関口として大きく発展した横浜。 その街では、人・文化・技術が行き交うなかで、独自の美術表現も生まれていきました。
そんな近代横浜の美術を「横浜絵」というキーワードからひも解く企画展 「横浜絵の深層―ジャンルか、イメージか、それとも輸出美術か」 が、横浜市歴史博物館で2026年9月5日(土)から10月18日(日)まで開催されます。
さらに展覧会の関連イベントとして、学芸員や専門家が作品の背景を深掘りする 全4回の特別講座も9月からスタート。 眞葛焼、アートビジネス、明治期の風俗、水彩画など、異なる視点から「横浜絵」の世界に迫ります。
開港後の横浜には外国人旅行者や商人が集まり、それまでの日本とは異なる文化や価値観が流れ込んできました。 同時に、日本で制作された絵画や工芸品、写真などが海外へ向けて販売されるようになり、 横浜は美術とビジネスが交差する場所にもなっていきます。
今回の企画展では「横浜絵」を単純な一つのジャンルとして捉えるのではなく、 肖像画、風俗画、水彩画、写真、工芸、輸出美術などさまざまな表現を通して、 「横浜絵とはいったい何だったのか?」を掘り下げます。
五姓田派の肖像画をはじめ、明治期の横浜で活動した画家たちの作品や、 海外市場とも深く結びついた工芸品などから、近代横浜ならではの美術文化を見ることができます。
展覧会をさらに深く楽しめるのが、横浜市歴史博物館の講堂で開催される全4回の特別講座です。 各分野の学芸員や専門家が登壇し、展示作品だけでは分からない時代背景や制作事情、 作品が売買された当時の横浜の姿などを紹介します。
開催日:2026年9月12日(土)14:00〜15:30
講師:鈴木愛乃氏(神奈川県立歴史博物館学芸員)
第1回のテーマは、近代横浜を代表する輸出工芸の一つでもある陶磁器。 外国からの需要に応えるため、日本の工芸では装飾や図案の研究が盛んに行われました。
横浜で制作された輸出陶磁器を取り上げながら、 立体的な工芸と絵画表現がどのように結びついていったのかを探ります。 眞葛焼などに興味がある人にも注目の講座です。
開催日:2026年9月22日(火・祝)14:00〜15:30
講師:角田拓朗氏(神奈川県立歴史博物館主任学芸員)
作品そのものだけでなく、注目するのは「横浜で美術がどのように売られていたのか」という視点。
横浜写真なども手がかりに、作品の売買や価格といったアートビジネスの実態をひも解きます。 さらに「横浜絵」の中心的存在とされる五姓田派の新発見作品も紹介される予定です。
開催日:2026年9月26日(土)14:00〜15:30
講師:猿渡紀代子氏(大佛次郎記念館・特任研究員、元横浜美術館学芸員)
写真師として知られながら日本画も描いた下岡蓮杖や、 五姓田芳柳の娘で明治期の風俗を描いた渡辺幽香、 さらに明治末から香港を拠点に水彩画を制作・販売した加藤英華など、 横浜と美術をめぐる多彩な人物にスポットを当てます。
一つのジャンルだけでは語れない、近代横浜の美術の広がりを感じられる回になりそうです。
開催日:2026年10月3日(土)14:00〜15:30
講師:吉井大門氏(横浜市歴史博物館学芸員)
最終回では、明治から大正にかけて活躍した横浜ゆかりの画家 笠木治郎吉を取り上げます。
狩人や漁師、農家など当時の庶民の暮らしを温かな視線で描いた作品を通して、 明治期に日本へ広がった水彩画の歩みと、笠木ならではの表現の魅力に迫ります。
今回の企画展と特別講座の面白さは、美術作品を単独で鑑賞するだけではなく、 「なぜ横浜でこの表現が生まれたのか」 という街の歴史まで一緒に見えてくるところです。
外国人が行き交った港町、海外向けの商品を生み出した職人、 写真や絵画を販売するビジネス、そして当時の庶民の暮らし。
それぞれをつなげて見ていくことで、「横浜絵」という言葉の奥にある 明治・近代日本の文化交流の姿が浮かび上がってきます。
企画展:横浜絵の深層―ジャンルか、イメージか、それとも輸出美術か
会期:2026年9月5日(土)〜10月18日(日)
会場:横浜市歴史博物館
住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央1-18-1
アクセス:横浜市営地下鉄「センター北駅」1番出口から徒歩約5分
特別講座時間:各回14:00〜15:30(13:30開場)
参加費:各回900円/全4回一括3,500円
申込:横浜市歴史博物館公式サイトのイベントページ、または案内チラシ記載の二次元コードから
横浜市歴史博物館「横浜絵の深層」公式ページ
港町として世界とつながった横浜では、絵画、写真、陶磁器、水彩画など、 さまざまな表現が人や商業の動きとともに発展してきました。
今回の「横浜絵の深層」は、作品の美しさだけではなく、 その背景にある人々の暮らしや美術ビジネスまで知ることができる企画です。
展示を見て「もっと知りたい」と感じた人は、 専門家から直接話を聞ける全4回の特別講座にも注目してみてはいかがでしょうか。
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