彫刻家・田島享央己は、江戸時代から続く仏師の家系5代目。祈りと人を繋いできた精神性を血肉とし、祖父から三代にわたり受け継がれた道具に宿る「手の記憶」と共に創作を行う。
その確かな伝統技術を土台としながら、彼の表現は彫刻の枠を軽やかに超え、絵画や陶芸、文筆業にも領域を広げる。2頭身のキャラクターに代表されるユーモラスな造形の中に、哀しみや怒り、祈りといった相反する感情を同居させ、観る者の想像力を強く揺さぶる独自の世界観を確立している。
技術の継承を“重さ”ではなく“誇り”として捉え、職人的な技巧と自由な精神を両立させる田島享央己は、現代において極めて稀有な才能を持つ芸術家である。
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